NASが突然の故障!学校で実際に起きた、故障したNAS機器からデータを取り戻すまでの緊急性の高い実例をご紹介します。
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NASがエラーで停止!症状は?
パソコンでファイルが開けない
NASの故障が起きたのは、生徒数は約300名、職員数50名の県立の学校。
職員全員でファイルサーバとして利用していたNASが故障したため、保存していたファイルを開くことができませんでした。
学期末だったため、試験のファイル、評定の個人情報など今すぐ必要なデータが消えてしまい、ただでさえ忙しい先生方の業務が止まりました。
今回インタビューを行ったデータ復旧事業部の伊藤氏によれば、教育機関の場合、大切な個人情報が膨大で、かつ時間に迫られる重要なデータが多いという。
EMモードが発生
職員室に設置されているNASを確認したところ、ブザー音が鳴り、エラーランプの点灯、モニターに『EM』という表示。
『エマージェンシーモード』が発動している故障だとわかりました。
すぐに学校専任のシステム会社も駆けつけましたが対応できず、NASのメーカーサポートに問い合わせることに。
症状を伝えたところ『ファームウェアのアップデートにより復旧できることがあるので、ファームウェアをダウンロードしてください』という指示だったが、作業をしようにもNASは起動すらしない状態。
これ以上どうしようもできず、やれることはやりつくした状況…
メーカーのサポートの方から、データ復旧の専門業者に依頼をされてはとアドバイスをもらい、検索されたそうです。
修理不可、データ復旧業者に依頼
学校外にNASが持ち出せない
個人情報の塊であるNASを、学校外へ移動するとなると、そもそも持ち出し禁止の場合も多く、可能だとしても教育委員会などの関係各所への稟議が必要になり、時間を要します。
「お問い合わせの第一声が、NASを絶対に校外へ持ち出せないということでしたので、弊社の出張サービスをご提案させていただき、現地にお伺いしました。」
診断開始、故障の原因は?
到着してすぐ、職員室に案内していただきました。個人情報の詰まったNASを作業するにあたり安心していただけるために、NDA(秘密保持契約)を締結し、診断作業にとりかかりました。
HDD損傷による物理障害
NASのHDDを取り外し、専用機器につなぎ故障原因を診断開始。
結果、故障の原因はHDDの寿命による物理障害でした。
「こちらのNASは『RAID6』というHDD構成でした。4台中1台のデータが完全に消去されていました。おそらくNASの使用状況が5年ほどということから、HDDの寿命を迎える時期だった可能性が高いです。」
特殊な技術で、障害のないHDDに残っているデータを取り出す作業を行います。作業内容や完了までの目安の時間、お見積もりなどお伝えし、稟議を通していただき、ご納得いただいた上で復旧作業を行いました。
ほぼ100%のデータを復旧
出張による40時間にもおよぶ現地作業で、ほぼ100%のデータを復旧することができました。
「今回は運よく損傷が深くなかったことが、ほぼ100%の復旧につながりました。物理障害というHDD自体への損傷が疑われる状態で、再起動などで電源のオンオフを繰り返すことで損傷が悪化し復旧率が低下します。わかりやすく言うと”怪我をしたまま走っている状態”ですね。それが少なかったのがよかったですね。」
「作業中、教頭先生や先生方が入れ替わり立ち替わり見に来られて、大変心配のご様子でしたが、進捗状況を伝えつつ不安解消をしながら作業を行いました。作業後はみなさんホっとした顔されて、復旧できてよかったと心から思いました。社会貢献できるこの仕事でよかったと思いますね。」
取り出したデータは、壊れにくい高耐久の外付けHDDに保存し、納品させていただきました。
今後の対策
教育委員会のサーバに、学校の保存領域を用意。
さらに納品で使用した外付けHDDを、もうひとつのバックアップとしてご利用いただくご提案をいたしました。
事例概要
- 県立の高等学校様
- 機器概要:Buffalo TeraStation(NAS)
- 構成:RAID6(500GBの4台構成)
- 症状:『エラー音』と『EMモード』が発生
- 故障原因:NAS使用5年超のHDD寿命による物理障害
- 所用時間:40時間
- 復旧率:90%以上
- 使用用途:職員数50名のファイルサーバ
もし、NASが停止したら、電源をオンオフしないで今すぐ症状をご相談ください。